オカメインコ/ペレット切替

まぁ、そのうちうまく切り替わってくれるでしょ!

2020年9月生まれのオカメインコさん。2021年1月にお迎えした時は完全シード食だったそうです。飼い主さんとしては慌てず取り組んでいこうと最初はこんなお気持ちだったそうです。

お迎えしてから最初の1か月は新しい環境に慣れてくれるためにもそのままシード食を継続。そして、2か月目にペレットを試したそうです。ところが、ペレットには全く見向きもしてくれなかったそうです。1回目の飼い主さんのお気持ちが折れた瞬間でした。

え?何か問題でも?

それから半年後くらいに再トライ!
お迎えしたショップさんで、シードとペレットの割合を変えながら切り替えていく方法を教わり試してみた結果うまくいかず…飼い主さんのお気持ちが折れてしまったそうです。(2回目の挫折)
飼い主さんとしては簡単にあきらめたわけでは決してなく、いろいろなメーカーのペレットを試したり、色や形も変えてみたそうです。そしていくらか進展があったのが、手からペレットを渡すと食べてくれるようになったそうですが、ペレットをエサ入れに入れると食べてくれなかったそうです。

そもそも、鳥さん個別相談(オンライン)をご利用いただいたのは、同居のズグロシロハラインコさんのことだったのですが、1回目のご相談の時のお話の中で「ペレットに切り替えようとチャレンジしたけど、何してもダメ!」とあきらめモードだったので、もしよろしければ2回目のご相談の時に、オカメインコさんのペレット切替にもう1度チャレンジしてみませんかとお声掛けをして、じゃあやってみるということになりました。

ご相談時の様子

まずはどんな状況かを把握するために、手渡しでペレットをあげていただきました。

ステップ1:
最初の数回はペレットをクチバシで受け取ってくれましたが、すぐにポロっと落としてしまいました。この時点で飼い主さんは「ほらもう…」とやっぱり無理なのでは感が漂っていました。
それでも、連続してペレットを手渡しで渡してもらううちに、ポロっと落とさずに齧る仕草が現れました。

参考画像:こちらのオカメインコさんは今回のご相談のコではありません。

ステップ2:
オカメインコさんをケージから出してもらい、ケージの上に敷いてあった毛布の上に直にペレットをばらまいてもらいました。そして、飼い主さんに、鳥さんがクチバシで食べ物をつつく時の動作をまねて、人差し指と親指でばらまいているペレットをつついたりつまんだりしてもらいました。

時々、人差し指でペレットをトントンとつつく感じも。(画像参照)すると、それにつられてオカメインコさんが自らペレットを食べてくれました!苦節1年と数か月…これには飼い主さんもびっくりでした。

これまでのトライがあったからこその今がある

ご相談後1週間くらい、同じようなアプローチを繰り返していくと、今ではペレットしか食べないくらいの勢いでケージの中でも食べてくれるようになったそうです。素晴らしい!

こちらが、絶対食べてくれない!と何度か飼い主さんの気持ちを折ってきたオカメインコさん。

「え?前から食べれてましたけど何か?」という感じの表情ですね。

ペレット切替の方法は10パターンくらいありますが、今回はその中のほんの1例をご紹介させていただきました。この方法でうまくいくコもいれば、他の方法でうまくいくコなど様々だと思います。

今回の方法のポイントとしては、放鳥時にエサ入れやお皿にペレットを入れない状態で、机などに直にペレットを数粒ばらまいた点と、飼い主さんが指でペレットをついばむ仕草をしていただいた点だといえるかもしれません。

もし鳥さんが、飼い主さんが食べているものに興味津々になってくれるタイプの鳥さんの場合、ばらまいたペレットを手でつまんで飼い主さんも一緒に食べているフリをするのもいいかもしれません。
反対に、人が食べている様子に興味を抱かないタイプの鳥さんにはこの方法は不向きです。

飼い主さんの過去の取り組みの中で、「手渡しで渡すと受け取ってくれるけど、ポロっと落とす」ということもありましたが、何度か諦めながらも取り組んでくださったおかげで、実はこの取り組みがあったからこそ、食べてくれるようになったのではないかなと思っています。あきらめなかった飼い主さんの成果ですね!

Twitterなどでもお伝えしていますが、完全ペレット食を推奨している訳ではありません。ただ、元気な時にペレットを食べられるようになってくれると、いざという時に安心だと感じています。

いざという時とは、鳥さんが体調を崩したり、胃腸の働きが弱くなった時です。こういった場合、シード食では胃に負担がかかってしまうので、おそらく病院さんでは「消化にいい、栄養のあるものを食べさせてください」と言われるのではないかなと思います。では消化によくて栄養のあるものとは…となった時に答えはペレットです。なので、ぜひペレットは少量でもいいので普段から食べ慣れていてくれると本当に安心です。一方で、体質的にペレットが合わない鳥さんもいるので、ぜひ鳥さんの様子を観察していただきながらペレットを食べてくれるような取り組みをお願いできたらと思います。

画像は着色ペレットを食べていますが、常用食としては無着色ペレットがおすすめです。着色ペレットを日常的に食べていると、フンに色がついてしまうので、健康かどうかを観察しやすい無着色ペレットの方が判断がつきやすいと思います。

とはいえ、ペレット切り替えがなかなか手ごわい鳥さんもいるのは事実です。
飼い主さん!ぜひあきらめないでください!!

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