人によって鳥さんの態度が豹変 vol.4

オンリーワンにさせないために

vol.3では、そのままの関係性を継続できれば、おそらく鳥さんをオンリーワンにさせずに済む項目をご紹介させていただきました。

一緒に暮らしてはいるけれど、鳥さんに咬まれたり攻撃されることを繰り返し受けていると、人側は怖くなってしまいますよね…。イタイですし怖いですし…。こうなるとますます鳥さんとの接触の回数が減ってしまい改善どころではない状況に陥ってしまい、その結果、さらにオンリーワン状態に鳥さんを近づけてしまいます。

飼い主さん(イラストの男性の立場の方)の恐怖心を取り除きながらのアプローチで、ご家族みんな、あるいはお一人暮らしの方にとっては飼い主さん以外の人にも咬んだり攻撃することなく接することができるようになることを目標にしていけたらと思います。

介入頻度が下がると、オンリーワンになってしまいそうな項目

⑦男性に対して攻撃的、咬もうとする、もう咬む。
⑧男性が特定の行動(横になる、電話をするなど)をしたら攻撃的になる。
⑨女性の体にとまっている時に男性が手を出すと威嚇するけど、これ以外の時は威嚇しない。
⑪女性の体に止まっている時に、男性はそのすぐそばに座ろうとすると威嚇・攻撃する。
⑫女性の体にとまっている時に男性が手を出すと威嚇しないけど、手にのってこない。
⑮ケージに男性が近づいてきても怖がらない、逃げない、でも近づいても来ない。
⑯ケージに男性が近づいてきたら攻撃的な行動を示す。

上記項目の中で、鳥さんの方から「攻撃」する行動を示さない場合の
⑫女性の体にとまっている時に男性が手を出すと威嚇しないけど、手にのってこない。
⑮ケージに男性が近づいてきても怖がらない、逃げない、でも近づいても来ない。
これらの項目の場合、まだ男性側(性別全般という意味ではなく上記イラスト上での立ち位置)としても気持ち的に怖い思いはしていない状態かなと思います。その代わり、もっと仲良くなりたいのになという気持ちの段階かもしれません。

この状況の場合、気を付けていただきたいポイントとしては、
●⑫の場合:無理やり手にのせる行為。
 ⇒これを繰り返すと、その行為から逃れたい!やめさせたい!の鳥さん側の意思表示で咬む、攻撃するという行動に発展する可能性があります。
●⑮の場合:仲良くなりたい一心でケージ越しにご褒美を上げる時に、しつこく名前を呼んだり手を動かす行為。
 ⇒威嚇や攻撃的な行動は見せていないけれど、近づいてこないのは何かしらの理由があるからだと思われます。鳥さんの近くで粘りすぎるとかえって「イヤだな~」の気持ちから、ますます警戒して近づいてこなくなるという、こうなったらいいなとは反対の結果になりかねません。

ご褒美の力を借りる

ご褒美の力を借りていくことになります。
●まずは、鳥さんの大好き!なものを見極める必要があります。
●No.1の大好きなものを見極めたら、この大好き!なものは、通常のエサ入れには入れないようにします。こうすることでご褒美の価値が高まります。
●No.1の大好き!なものは、上記イラストでいえば女性(鳥さんが一番懐いている人)は、鳥さんにあげないようにして、男性(上記イラスト)のみから出てくる特別なものという存在にします。

そして、重要になっていくのがご褒美を差し出す”位置”です。A、つまり鳥さんの口元に持っていくのはNGです。ご褒美を差し出す位置として理想的なのは、鳥さん側から鳥さんの意思で受け取りにいける位置です。
(※鳥さんの男性(上記イラスト)への馴れ具合をそれほど嫌がっていない程度に設定しています。)
右のイラスト(相変わらずヘタクソですみません…)で言いますと、BかCくらいの位置にご褒美を差し出します。
さらに、BかCくらいの位置にご褒美を持っていく段階で、もしかしたら鳥さんが後ずさりしたり、今は右肩にとまっている状態から左肩の方に移動してしまう、つまり「逃げる」ようでしたら、BかCの位置では現段階では鳥さん的に「近っ!」ということになります。なので、DあるいはEのところ、さらにはもっと遠い位置で差し出してみて、鳥さんが後ずさりしたり体を反る行動が現れない位置を探ります。鳥さんが後ずさりしたり逃げたりしない位置が現時点でのスタート地点となります。ここから少しずつ、B、Cくらいまで近づけていきます。
DやEあるいはもっと遠くにご褒美を差し出すって…届かなくない??と自分でも思いました。この場合、腕を肩と水平に伸ばしてもらうことで、鳥さんが移動してゲットできるようになると思います。
もしかしたら、鳥さんにとってご褒美が遠くなると、ハードルが上がってしまうことで受け取るために動いてくれないことも十分に考えられます。

(書き直しました!)
この場合、DやEあるいはもっと離れたところ(鳥さんが逃げない位置)でご褒美を差し出して、受け取りに来てくれなかったら、ご褒美を腕に置いて一旦男性(イラスト)は少し離れます。それで、鳥さんが受け取りに来てくれるかどうかを観察します。徐々に、男性がその場から離れなくても一旦腕におけば受け取りに来てくれるようになるか、あるいはBやCまでご褒美を近づけても逃げなくなってくれるか、いずれかの状態になるまで、鳥さんにとっても飼い主さんにとっても無理のないペースで続けていきます。

指で持った状態から受け取ってくれること自体がハードルが高い場合は、次回(vol.5)の内容をご参考にしていただけたらと思います。

また、大好きな人の肩にいる時は、いくら鳥さんにとって大好きなご褒美でも価値がなくなってしまいご褒美を受け取ってくれないこともありますので、この方法を行う時は、鳥さんは別の場所に移動してもらって、テーブルや椅子の背もたれ、あるいはケージ越しでもいいので場所を変えてトライしていただくことで、鳥さんの動きに変化が現れるかもしれません。

さらにポイントとしては、
●一回ご褒美を差し出したらそこをゴールとします。近過ぎた!遠過ぎた!の場合でも、一旦差し出した位置で手は動かさず固定します。
●10秒ほど経っても受け取ってくれなかったら一回ご褒美を引きます。次に出す時に、上記位置を調整します。
●しつこくやりすぎるとかえって嫌われてしまうので、2~3回ほど試してみて反応がなければ一旦やめる。(反応がない場合、もしかしたら飼い主さんが思うご褒美は、鳥さんにとってそれほどNo.1ではない可能性があったり(見直しが必要)、満腹状態なのでいくら大好きなものでも今はいらないの状態かもしれません。)
※上記は、スタート地点としては、まだ鳥さんがNo.1の人以外の人に対して怖がっていなかったり、嫌がっていない状態のケースです。「男性の介入頻度が下がると、オンリーワンになってしまいそうな項目」⑫・⑮以外の項目の場合、さらに前段階としてのアプローチが必要になります。

今回はここまでです。

次回vol.5は、今回の状況よりもさらに前段階となる、ケージ越しからのスタート方法をご紹介していきたいと思います。

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